大判例

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東京高等裁判所 昭和40年(う)927号 判決

被告人 中村俊夫

〔抄 録〕

また、原判示の新田地区小委員会が何ら法令に基づく機関でないことは所論のとおりであるが、原判決が原審共同被告人加沢秋治の職務権限について説示しているように、右小委員会は原判示農業委員会農地部会の運営を能率的合理的にすることを目的として組織され、前記加沢秋治は当時右農地部会に所属する農業委員として右小委員会に参画し、他の小委員とともにその地区内の農地に関する事項につき右農地部会の審議に先立つてあらかじめ議案を検討し、各委員の意見を交換することを事実上の慣行としていたこと、右農地部会の審議に際しては地元の委員が小委員会における協議の結果に基づいて意見を陳述し、この意見が右部会全体の意見の成立に事実上強い影響力を及ぼしていたことが記録および証拠物により明らかであつて、原判示の小委員会における協議は前記加沢秋治において事実上、慣行上所管する職務行為であつてその本来の職務と密接な関係を有するものというべく、したがつて、原判示の一万円が前記加沢秋治において事実上、慣行上所管する右職務行為に関して供与されたことは明らかであつて、原判決が被告人の本件所為を贈賄罪に問擬したことは正当である(なお、最高裁判所昭和三二年二月二六日第三小法廷言渡判決集一一巻二号九二九頁参照)。論旨は理由がない。

(三宅 石田 西村)

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